1.「木の周辺」を理解する
私たちが生活している南津軽大鰐町早瀬野地区は白神山地の延長線上にありブナを中心とした広葉樹林帯が広がります。
また、日本三大美林の2つ秋田スギの北限と青森ヒバの南限に位置します。この恵まれた森林環境は生き物たちの宝庫でもあります。例えば実りの秋、リスはオニグルミの実を頬張りその残りの一部を土の中に埋め忘れてしまいます。
カケスはドングリの実をくわえ、巣に運ぼうとするのですが途中落っことしてしまいます。
サクラの仲間たちの実はツキノワグマやヒヨドリなどに食べられますが、一部は消化されず排泄されます。
生き物たちの生活行動により樹木たちは助けられ、種子の拡散をしていきます。
こうした観察は地域材、国産材を理解することにつながっていきます。
木に携わる人間として木の物語、つまり「木の周辺」を理解することで皆様にその豊かさを伝えていければと思っています。
2.折る、畳む、仕舞うをデザインする
日本は古くからミニマムなライフスタイルでした。
小さな部屋に家族が集いお膳やちゃぶ台でご飯を食べ、片づけた後に押入れから布団を出して寝る。
とてもシンプルかつ美しい生活様式でした。
食器類はスタッキングし棚の中にうまく収め、ちゃぶ台は折りたたんで仕舞う
木を中心とした自然素材を丁寧に扱うことは日本人の「侘び寂び」や「粋」といった美意識にも通じることではないでしょうか。
私たちはもう一度その機能や思想を見直し、現代のライフスタイルに合った
オリジナルデザインやデザイン提案をさせていただいています。
3.端材を使い切る
テーブルやイスなどの家具類を製作すると端材がでます。家具の材料ですから選定された良質な材です。
その端材を小物に活かし、残りの僅かな材は冬場のストーブの焚きつけ材として使い切る事を心がけています。
もともとわにもっこのスタートは自分たちの所有する山の木を活かしたい、大事に使いたいという発想から生まれました。
例え小さな端材でもそれを活かすことで私たちの理念も完成されます。